ニューロンはどうやって繋がる相手を選んでいるのか?

神経回路ニューロン同士が繋がることで形成(神経回路形成と呼ばれるメカニズム)されているが、ニューロンが繋がろうとするとき、それぞれのニューロンはどうやって繋がる相手のニューロンを選んでいるのだろうか?

神経回路形成のキーポイント

「標識路仮説」によると、ニューロン同士の配線は遺伝子レベルで規定されている

神経間の配線は、発生過程において神経細胞が軸索とよばれる長い突起を伸ばして、標的細胞(他の神経細胞や筋肉など)とシナプスという構造を介して連絡することにより形成されます。ここで重要なことは、この配線のパターンは大部分、遺伝的(先天的)に決まっているということです。神経細胞は、いつも決まった道筋に沿って軸索を伸ばし、多数の細胞の中から特定の標的細胞を見つけ出します。多くの場合、標的細胞は遠く離れているにも関わらず、です。このような神経細胞の驚くべき能力を説明するのに、古くから提唱されている考え方に「標識路仮説」があります。

「NMDA型グルタミン酸受容体」をブロックすると神経回路が作れなくなる

NMDA型グルタミン酸受容体といいますが、神経細胞軸索の末端から放出されるグルタミン酸という神経伝達物質(neurotransmitter)を受け取る受容体の1つで、樹状突起上にあります。神経回路の成熟、学習・記憶など脳の高次機能に深く関わることが知られ、そのはたらきを抑えると、正しい神経回路をつくることができなくなります。
今回の実験では、正常に回路が作られる場合とそうでない場合の様子を比べることができました。どちらの場合も神経回路の形成過程では、樹状突起は伸び縮みをしていました。伸び縮みをすることで、正しいシナプスをつくる相手を探しているのでしょう。NMDA受容体のはたらきを抑えると、さらに伸び縮みがはげしくなりましたから、NMDA受容体は、樹状突起に正しい相手を選ぶための情報を与えているのでしょうね。それとともに、軸索(axon)シナプスをつくった樹状突起を安定させて、正しい方向に伸びるよう導くことで、正常な神経回路の形成を行っていると考えられます。

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